「重要事項説明会」ってどんな時に開催するの?

マンションの管理会社が管理組合と管理委託契約を最初に締結する時、また、既存の管理委託契約を更新する際、
管理業務主任者をして重要事項説明を行うことが、マンション管理の適正化の推進に関する法律(マンション適正化法)により定められています。
今回は、管理会社が行う重要事項説明についてお話します。
1.重要事項の説明は何のために行うのか
マンション管理業者と管理組合が管理委託契約を締結する際に、契約を締結するかどうかを意思決定するうえで影響を与えるような重要な事項について、
あらかじめ説明することにより、管理組合が契約内容を十分承知した上で契約締結の意思決定をできるようにするためです。
2.重要事項とは
管理受託契約の内容及びその履行に関する事項で国土交通省令に定めるものをいい、具体的には以下の11項目です。
①マンション管理業者の商号又は名称、住所、登録番号及び登録年月日
②管理事務の対象となるマンションの所在地に関する事項
③管理事務の対象となるマンションの部分に関する事項
④管理事務の内容及び実施方法(法第76条の規定により管理する財産の管理の方法を含む)
⑤管理事務に要する費用並びにその支払いの時期及び方法
⑥管理事務の一部の再委託に関する事項
⑦保証契約に関する事項
⑧免責に関する事項
⑨契約期間に関する事項
⑩契約の更新に関する事項
⑪契約の解除に関する事項
3.「重要事項説明会」が必要な時と不要な時の違いは?
管理会社が実施する重要事項説明会は、管理組合の「管理者(理事長)」および「区分所有者全員」に対して実施しなければなりません。
この場合、マンション管理業者は、説明会の日の1週間前までに、対象マンションの区分所有者等及び管理者等に対して、重要事項並びに説明会の日時及び場所を記載した書面を交付しなければなりません。
例)重要事項説明会が必要な場合
・管理委託契約の期間延長
・管理委託費用の増額
・管理委託内容の範囲の縮小
・管理委託費用の支払時期の前倒し
しかし、管理委託契約の内容に「変更がない場合」や「管理組合にとって不利となる変更が含まれない場合」には、
重要事項説明会の開催を省略することができます。
この場合、理事長(管理者)への説明および、区分所有者全員へ重要事項説明書の交付が必要となります。
例)重要事項説明会が不要な場合
・マンション管理業者の商号又は名称の変更
・管理委託契約の期間短縮
・管理委託費用の減額
・管理委託内容の範囲の拡大
・管理委託費用の支払い時期を後に変更
・市町村合併等による所在地の変更
4.おわりに
重要事項の説明は、管理委託契約の内容を相互に理解し、管理会社と管理組合とのトラブルを未然に防ぐことが重要であることから、
平成13年8月1日に施行された「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」によって義務付けられました。
皆様もぜひ一度重要事項説明書をご覧いただき、更新契約内容について今一度確認してみてはいかがでしょうか。