大規模修繕工事の費用はどう決まる?
大規模修繕工事の費用はどう決まる?
分譲マンションにお住まいの方にとって「大規模修繕工事」は避けて通れないイベントです。
しかし、理事会や総会で話題に上がると「どうしてこんなに高いの?」「この費用って何で決まるの?」と疑問を抱かれる方も少なくありません。
そこで今回は 大規模修繕工事の費用がどのように決まるのか、そのポイントを整理してみましょう。
1. 工事の内容・範囲
費用を大きく左右するのは「どこまで工事を行うか」という範囲です。
例えば、外壁補修・防水工事・鉄部塗装といった基本的な工事項目だけであれば、一般的な相場に収まります。
一方で、劣化が進んでいる場合や、付加的にエントランス改修・宅配ボックス設置などを含めると、当然ながら総額は増えていきます。
2. マンションの規模・形状
同じ工事内容でも、戸数や階数、建物の形状によって費用は変わります。
・戸数が多い → 足場や共通仮設費が大きくなる
・高層マンション → ゴンドラ作業や安全対策が必要
・複雑な形状 → 手間が増えるため工数がかかる
といった具合に、規模や形が複雑になるほど費用は膨らむ傾向にあります。
3. 使用する材料や仕様
同じ「外壁塗装」でも、塗料の種類によって耐久年数や仕上がりが異なります。
例えば、シリコン塗料とフッ素塗料では耐用年数も価格も違い、選択次第で数千万円単位の差が出ることもあります。
管理組合としては「イニシャルコスト」と「長期的なメンテナンスコスト」のバランスを見極めることが重要です。
4. 工事時期と経済状況
建設業界の人手不足や資材価格の高騰など、社会情勢も工事費用に影響します。
例えば、同じ工事でも数年前より2~3割高くなるケースも珍しくありません。
また、繁忙期(春や秋)は相見積もりを取っても高めの価格が提示されやすく、閑散期を狙うことでコストを抑えられる場合もあります。
5. 業者の選定方法
最後に見逃せないのが「業者選び」です。
・設計監理方式で複数社に競争入札させる
・施工会社に一括で任せる
など発注方式によって費用感は大きく変わります。
安さだけで決めると手抜き工事や将来の不具合につながる恐れがあるため、価格と品質のバランスを慎重に見極めることが求められます。
まとめ
大規模修繕工事の費用は、
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工事の範囲
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マンションの規模・形状
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使用する材料や仕様
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工事時期や経済状況
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業者の選定方法
といった要素で決まります。
「なんとなく高い・安い」ではなく、こうしたポイントを理解することで、理事会や総会での議論がスムーズになり、納得感のある意思決定につながります。



