シニアカーの敷地内駐車について

少子高齢化の進行に比例して、マンションにも高齢化の波が押し寄せています。
お出かけ時の歩行補助器具も、今までは車いすや杖等が主流でしたが、最近では簡単操作で運転免許がいらないため、気軽なお出かけのサポート器具として電動車椅子が普及しており、シニアカーと呼ばれています。
シニアカーは、マンション居室内で保管できることが望ましいですが、スペースの都合等で居室内での保管が難しい場合が多く、敷地内へのシニアカーの駐車についての要望も多く聞かれるようになりました。
ここでは、その対応についてご紹介します。
<使用者の準備>
①シニアカーの大きさを確認
操作性や乗り心地の確認のため試乗されると思います。その際には、現地に置けるか実物の大きさ等の確認を行い、トラブルを回避しましょう。
②敷地内にシニアカーを停められる場所の有無を確認
敷地内に適した空きスペースがあると良いですが、無い場合も多く平置き駐車場・バイク置場の空区画等の邪魔にならない場所、また避難経路等に支障がない場所をあらかじめ探しておくが必要があります。
③シニアカーでエレベーターを使用するかを確認
エレベーター籠内の広さによっては、シニアカーが入らないことがあり、籠内に収まっても壁を傷つけてしまうことがあるため、十分なクリアランスが確保できるか確認する必要があります。
④シニアカー充電の有無を確認
居室内で充電出来れば問題ありませんが、共用部の電源使用が必要となる場合には、電気代の支払等を考慮する必要があります。
⑤理事会への申し出
上記①~④を確認した後に、理事会に申し出る必要があります。
<理事会での準備>
①共用部への駐車可否を協議
敷地内にシニアカーを置く場合は、総会決議が必要となります。総会へ議案を上程するか、理事会では駐車の可否を含め検討することが必要となります。また、今後同様の事例が発生した場合の対応方法等についても検討が必要です。
②共用部電源の使用可否を協議
共用部の電気料は、全区分所有者から徴収される管理費で賄われていますので、使用を認める場合は電源に専用のメーター取付や該当居住者へ電気料を請求する等の対応の必要があります。
③総会へ議案上程
理事会で協議した内容を総会で諮り、承認されれば最終的に共用部への駐車が認められます。
敷地・共用部は区分所有者皆様の財産となります。
シニアカー普及に伴い敷地内駐車を進めるにあたっては、管理規約等の確認は勿論のこと、しっかりと段階を踏んで合意形成を図ることにより、無用なトラブル等を回避することが出来ます。