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大規模修繕工事までのスケジュールについて

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大規模修繕工事までのスケジュールについて

大規模修繕工事の流れを知ってマンションの運営に役立てよう

大規模修繕工事は建物の劣化を防ぎ、維持管理していくための工事ですが、同時にマンションにとっては、今後の方向性を決定づける大きなターニングポイントにもなります。工事内容を組み立てていく上で、資金面での検証や現状とのバランス、マンションの将来像など様々な可能性を検討して進めていく必要があるからです。

大規模修繕工事を通して管理組合が活性化し、マンションの将来像をみんなで考える機会となるよう活用されればいかがでしょうか。

 
1.管理組合内の体制づくり

大規模修繕工事に向けて、管理組合内に工事を検討できる体制を作ると良いでしょう。例えば、理事会の下部組織として「修繕委員会」といった専門委員会を設置する場合があります。修繕委員会は工事内容の検討、調査への立会い、説明会の実施、工事中の打合せや進捗管理等、その役割は準備段階から竣工まで工事全体に深く関わるものです。

修繕委員会は必ずしも設置しなければならないという組織でもありませんが、マンションの規模、管理組合の実情に合わせて主導する体制(理事会等)を作ることは大規模修繕工事を進める重要なポイントになります。

 
2.工事の発注方式の決定

大規模修繕工事は、通常準備段階から外部の専門家(管理会社・設計事務所・専門事業者=パートナー)と契約し、工事の設計や管理、実際の工事を行います。
代表的な発注形式に「責任施工方式」「管理会社主導方式」「設計管理方式」があります。

「責任施工方式」とは管理組合が施工会社と直接契約する方式です。
それに対し、「管理会社主導方式」は管理会社に工事を発注する方式です。

「設計管理方式」は発注者と施工する会社とは別に第三者としてコンサルタントが加わります。コンサルタントが工事の設計を行い、施工会社はコンサルタントが作成した工事仕様書に基づき工事をします。また、工事中はコンサルタントが管理組合に代わり、専門家の視点で工事の管理も行います。

発注形式をどうするかは大規模修繕工事における大切なポイントです。
自分たちが信頼して任せられるよう協議を重ね、慎重に検討しましょう。

 

3.建物診断の実施

発注形式、パートナーが決まりましたら次は建物診断です。

調査員が実際に建物を訪問し、建物の劣化症状から補修の緊急度等、目視や機械調査を併用して判定していきます。

調査で得られた結果は大規模修繕工事の時期や工事内容を決定するベースとなります。修繕の第一歩は現状認識です。建物診断を実施し、情報を組合員で共有しましょう。

 

4.修繕計画・予算を立てる

建物診断による現状報告を受け、工事内容や実施時期について検討します。
劣化の進行により修繕箇所の優先順位を決めていきますが、比較的状態の良い箇所は次回の工事に回す等、長期的な工事計画を作ることが必要になります。

また、組合員から要望のあった安全性や利便性に寄与する改良工事等を併せて実施することも、より高い満足感を得られる工事になります。

そのためには、工事資金である修繕積立金で工事予算がカバーできるように、長期修繕計画書にて工事と資金両面で計画をたてることが重要になりますし、万一の不足に備え、一時金の徴収や借入等を視野に修繕積立金の改定も計画するほうが良いでしょう。

 

・大規模修繕工事内容のイメージ

 

1回目大規模修繕工事
(築後12~15年程度)

2回目大規模修繕工事
(築後24~30年程度)

3回目大規模修繕工事
(築後36~45年程度)

主な工事内容

・屋根防水の補修・修繕

・外壁の補修・塗替え

・建具の点検・調整

・その他

・屋根防水の補修・修繕または
 撤去・新設

・外壁の補修・塗装、除去

・傷んだ金物類の取替

・耐用年数を迎えた設備の
 取替

・その他

・これまでの工事に加え屋根防水
 の撤去・新設

・建具の取替

・給排水管の取替

・耐用年数を迎えた設備の取替

・その他

※修繕対象と工事範囲、修繕積立金の総額等を勘案しながら資金計画を検討していきます。

 
5.施工会社の選定

続いて、施工会社の選定に移ります。

一般的には公募により参加を希望した施工会社より見積を取り、「ヒアリング」と呼ばれるプレゼンテーションの場にて各社の工事への取り組み、会社の体制、アフターサービスの内容等を発表してもらいます。

施工会社を決定する際は、工事費用は非常に重要な判断材料の一つですが、施工会社とは工事中はもちろん、施工後もアフター点検などを通じて長年にわたる付き合いが始まります。建物のことを安心して任せられる施工会社を、様々な角度から検討して選ぶことが大切です。

 

6.総会決議

工事の概要が決まりましたら、総会を開催します。

大規模修繕工事は組合員の過半数の賛成を得られて初めて実施できる工事です。

そのため、選考や決定の過程において、公平性、透明性が保たれていることが肝要です。建物の劣化状況、工事の方向性、予算の用途、施工会社の選定理由等、組合員に分かりやすく、明快に説明できるよう準備が必要です。

また、報告会や広報誌の作成、場合によっては臨時総会を開催するなどして、組合内での意見の調整を図ることがとても大切です。

 

7.工事説明会の実施

総会決議により承認を得られたら施工会社と契約を締結し、工事の準備に入ります。着工の1カ月程度前に工事説明会を開催し、組合員や居住者に工事の概要や注意点などを説明します。

大規模修繕工事は住みながらの工事になりますので、安全上の留意点や対策、日常生活への影響については丁寧な説明が必要です。

住んでいる方々の理解と協力を得るよう、伺った意見や懸念点はパートナーや施工会社も共有し、極力生活に影響が出ないよう対応策を検討しましょう。

 

8.着工

大規模修繕工事の場合は、足場により、実際に施工箇所を確認して初めてわかる不具合や突発的な作業、タイルや塗料の色彩確認等様々な事項に対応するため、工事期間中は定期的に理事会、パートナー、施工会社による打合せを行い、変更箇所の確認、工事の進捗がスムーズに運ぶよう調整を行う必要があります。

また、工事中はマンションを取り巻く環境が普段とは大きく変わり、ストレスを感じる方も出てきますので、普段の生活への影響を極力抑える配慮はとても大切です。特に居住者の生活に直接影響のある事柄や安全に関する注意点は、工事中に設置される掲示板や各戸へのチラシの配布なども使い、必ず事前にお知らせしましょう。

工事中も居住者が安心して生活できる環境を整える姿勢や配慮が運営側への信頼につながり、工事に対する居住者の理解や協力に繋がります。

 

9.竣工・引渡し

工事完了前、足場のかかった状態で竣工検査を行います。

この検査では、管理組合、パートナー、施工会社で施工箇所について確認を行い、不具合が見つかった箇所は、手直しを行い、完了後に改めて確認を行います。

無事、工事が完了すると竣工・引渡となります。

工事内容を記録した「竣工図書」はマンションを維持管理していく上での大切な記録となりますので、大切に保管しましょう。

 

10.まとめ

以上は大規模修繕工事の流れについて纏めたものです。

マンションにとって大規模修繕工事は時間もお金もかかる一大イベントです。

大規模修繕工事に関わることは、マンションの構造、設備、資産状況等、マンションと管理組合の現状を体験的に学習できる機会になります。

自分が住んでいるマンションの課題を知ることは大事なことです。

 

マンションを知るためには管理に参加することです。

 

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